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第51巻 第1号(平成23年3月発行)
新技術・新製品特集号

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1.巻頭言

巻頭言

巻頭言

  • 代表取締役副社長
  • 渡辺康之

2.センター長が語る

センター長が語る

対象製品は違ってもIHIグループに共通する基盤技術を担って

  • 技術開発本部副本部長 基盤技術研究所所長
  • 池田英人

3.我が社の看板娘

我が社の看板娘1

-25℃への挑戦!冷凍食品で初の大規模自動仕分け物流センター独自のシステムフローで,作業効率アップと厳格な品温管理を同時に実現 日本生活協同組合連合会 鳥栖冷凍流通センター

  • 株式会社IHI

本センターは九州の8つの生協を統括するコープ九州事業連合による日本最大規模の冷凍食品物流センターとして建設された.IHIオリジナルシステムにより,品温管理,出荷精度,生産性を向上させた,冷凍食品では初の大規模集品ラインである.

我が社の看板娘2

スポーツフィールドで鮮やかなゼブラ模様を演出する抜群の刈取性能をスポーツフィールドに展開する芝刈機

  • 株式会社IHIシバウラ

ゴルフ場の芝を短い刈高に維持する専用機をベースに,あらゆるスポーツフィールドの刈高に対応できる新仕様の芝刈機を開発した.ゴルフ場向けグリーンモアと同様の,きめ細かい作業をスポーツフィールドに提供する.

我が社の看板娘3

コンプレッサで挑む地球環境問題高効率・小型の3段圧縮式新型ターボコンプレッサ「TRAシリーズ」

  • 株式会社IHI回転機械

近年深刻化する地球環境問題によって,消費エネルギーの多くを占める工場設備に対する省エネ要求の厳しさが増している.本製品は工場の省エネ実現に悩むお客さまへのソリューションとして開発した,高効率小型ターボコンプレッサである

我が社の看板娘4

電動アシストターボ!!排気ガスのエネルギー再利用・クリーン化,低燃費化を実現するパワーエレクトロニクス

  • 株式会社IHI

エンジンの幅広い回転領域で性能を発揮する電動アシストターボチャージャ.低速走行時や加速初期のエンジンの排気エネルギーが少ない状態でも,電動モータ補助によってターボチャージャ回転を上昇させる.電動アシストターボチャージャを搭載すれば,エンジンを小型化・軽量化できる.

4.我が社のいち押し技術

我が社のいち押し技術1

騒音は音で消せ!!従来のパッシブな方法では防げない冷却塔などの低周波騒音を消すアクティブ騒音制御システム

  • 株式会社アイ・エヌ・シー・エンジニアリング
  • 井上保雄

回転・振動タイミング自動調整システムを含めたアクティブ低周波騒音低減システムで,工場や発電所などから発生する騒音を消し去り,静かな住環境を提供する.

5.こんなビジネスが面白い

こんなビジネスが面白い1

変幻自在の素形材加工術MIM(金属粉末射出成形)用バインダ販売,および技術サポート

  • 株式会社IHI

射出成形と脱脂・焼結によって最終製品の寸法に極めて近い精度の部品を得られ,機械加工の手間を大幅に削減できる.IHIは,複雑形状部品へのMIMの適用に取り組む企業に材料販売,技術サポートを提供している.

6.箸休め

箸休め1

粒の仕事

  • 株式会社IHIテクノソリューションズ
  • 内田博幸

7.技術論文

技術論文1

船殻外板の全自動曲げ加工システム“IHIMU-α”の開発

  • 丹後義彦,石山隆庸,鈴木博之

船殻曲がり外板の曲げ加工法として半世紀以上前から線状加熱が用いられてきた.この線状加熱は造船固有の技能であり,習得に10~20年かかる造船を代表する「匠の技」である.しかし,近年の後継者不足によって技能の伝承,加工能力の確保が喫緊の課題になっている.株式会社アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッドはこの技能の自動化研究を石川島播磨重工業株式会社(現,株式会社IHI)時代の1990年に開始し,1997年には初号機“IHI-α”を開発した.今回この初号機を大幅に改良し,旧装置では人手に頼らざるを得なかった最終仕上げも含めた全工程を無人で処理する新型機“IHIMU-α”を開発したので紹介する.

技術論文2

微粉炭燃焼技術の開発

  • 田村雅人,渡辺真次,大野恵美,糸数龍之介,小崎貴弘

エネルギーセキュリティ上で欠くことのできない石炭を火力発電所で継続使用するためには,炭種の拡大,運用性の向上,クリーン利用の実現が必須である.当社は,これらの社会的要求に対応するため,微粉炭燃焼技術の高度化を目指して,開発プロセスの各ステージにおける現象解明に,大小さまざまな試験設備や数値解析技術を適用している.本稿では,社会的要求に対応して当社が開発した低スラッギングバーナや竪型ローラミルの改善,数値解析技術などについて概説するとともに,新設中の大型燃焼試験設備を紹介する.

技術論文3

鋳造シミュレーションを使ったロバスト最適条件の選定

  • 齋藤侑里子,木間塚明彦,黒木康徳

近年,鋳造シミュレーションの欠陥予測精度が向上し,製造現場においても鋳造シミュレーションを活用して最適な鋳造条件や鋳造方案の選定が可能となってきた.しかし,製造時には厳密な温度制御などは難しく,条件が変動してしまうことによって結果的に欠陥が発生する場合も多い.そこで本稿では,ロバスト最適化手法であるタグチメソッドを鋳造シミュレーションと組み合わせることによって,製造現場での条件変動に対してロバストな鋳造条件を選定する手法とその適用事例を紹介する.

技術論文4

高温排気ガス対応ターボチャージャ向けタービンインペラ材料の各種特性

  • 大岩直貴,高橋 聰,松山良満,根崎孝二,黒木康徳

近年,環境意識の高まりから乗用車の燃費向上および排気ガス成分の規制強化の要求が強まっており,特にガソリンエンジン向けのターボチャージャの需要が増加している.低燃費化を達成するため,ガソリンエンジンの排気ガス温度は1 000℃を超え,1 050℃に達するケースも出てきた.本稿ではタービンインペラに着目し,その高温強度およびシャフトとの溶接性を評価し,高温排気ガス対応ターボチャージャ用タービンインペラとして246相当材およびIN100相当材が有力であることを明らかにした.

技術論文5

次世代高強度マグネシウム合金の開発

  • 尾崎智道,鎌土重晴,黒木康徳,田中 徹,伊牟田守

Mg(マグネシウム)合金は実用金属材料中で最も比重が小さく,軽量金属材料として注目を集めているが,強度,耐食性が低いため,これまでは適用範囲が限られていた.本稿では,Mgの機械的特性に及ぼすGd(ガドリニウム)などの希土類元素や亜鉛の複合添加の影響を系統的に調査することによって,鋳造材で350~400 MPa 程度の高い強度を示し,さらに,実用Al(アルミニウム)合金を上回る高い耐熱性,耐食性をもつ合金の開発に成功した.加えて汎用の鋳造プロセスによって複雑形状部材の製造が可能であることを確認した.

技術論文6

非線形スロッシングによる石油タンク浮き屋根の振動に関する研究

  • 内海雅彦,石田和雄,日詰雅之

石油タンク内の液体スロッシングによる浮き屋根の振動は,地震の長周期成分に共振し,浮き屋根の構造破損を引き起こす.このため,浮き屋根の振動解析はタンクの安全評価における重要な課題である.本稿では,スロッシングの非線形性を考慮して浮き屋根の振動解析を行い,非線形性を省略した線形解析との比較によって,浮き屋根に生じる応力が非線形性に起因して著しく増大することを示す.これは,非線形スロッシングでは周方向波数2のモードが励起されることに基づく.さらに,実験検証を行い,応力の非線形解析結果が実験結果に良く一致することを示す.