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環境マネジメント

考え方

IHIグループは、「自然と技術が調和する社会を創る」ことをありたい姿とし、ESGを価値観の軸に置いた経営(ESG経営)を行っています。
環境については、「気候変動への対策」「地球環境の保全」「資源循環型社会の形成」の3つを重要課題として特定し、社会システム全体の環境負荷低減に継続的に取り組んでいます。
IHIグループは、環境の重要課題に取り組むための行動指針として「IHIグループ環境基本方針」を定めています。特に「気候変動への対策」をより重要な課題と捉え、製品・サービスのライフサイクルにおける温室効果ガス(GHG)排出量を指標として、バリューチェーン全体でのカーボンニュートラルにつながるビジネスを提案しています。事業活動においては、環境法令を遵守し、地球環境の保全および環境負荷低減に取り組みます。

方針

IHIグループ環境基本方針

IHIグループは、「IHIグループ基本行動指針」第7条(地球環境に対する責任)に基づき、以下のとおり行動指針を定め、自主的かつ積極的に活動していく。

第1条(環境管理体制の構築)
環境管理体制を構築し、具体的な目的・目標を設定して確実に実行・評価し、継続的改善を図る。
第2条(環境法令等の遵守)
環境関連法令・協定および関連業界の方針・計画を遵守するにとどまらず、必要に応じ自主管理基準を定めて運用し、環境管理の向上に努める。
第3条(環境に配慮した製品等の提供)
地球環境の保全および環境負荷の低減に貢献する製品、サービスおよび技術を社会に提供する。
第4条(事業活動における地球環境の保全および環境負荷の低減)
IHIグループのすべての事業活動において、以下のとおり地球環境の保全および環境負荷の低減に努める。
  1. 地球環境の保全
    持続可能な社会の実現に向けた、大気、水質および土壌汚染防止ならびに生物多様性への影響削減と保全
  2. 環境負荷の低減
    脱炭素社会および資源循環型社会の実現に向けた、エネルギー使用量、温室効果ガス排出量および水使用量の削減ならびに地球資源の利用効率改善および廃棄物の発生抑制
第5条(環境教育)
環境教育を通じて、IHIグループ各社の役員、従業員、派遣社員等、業務に従事するすべての者の環境意識を高め、自らが環境問題に関心を持ち、行動できるようにする。
第6条(情報開示)
地域社会との融和ならびに地域環境の保全および環境負荷の低減のために、社会活動への参加と適時かつ適切な環境情報の開示およびステークホルダーとコミュニケーションを積極的に行なう。

ガバナンス

IHIグループでは、ESG経営推進会議の下、環境委員会が中心となって環境活動を推進しています。本委員会は、グループESG担当役員を委員長、副事業領域長・事業領域管理部長などを委員としています。さらに、環境委員会の下部組織として環境管理責任者連絡会を設置しています。
環境委員会では3つの重要課題「気候変動への対策」「地球環境の保全」「資源循環型社会の形成」について、活動方針や計画、目標を審議・決定し、進捗状況の報告を行っています。特に重要な課題である「気候変動への対策」では、バリューチェーン全体でのカーボンニュートラル実現に向けて、製品使用時に排出されるGHGの削減ロードマップの策定や、工場・事業所において排出されるGHGを削減するための設備投資などの実施状況をモニタリングしています。
環境委員会で議論された内容は、ESG経営推進会議に報告され、経営層から受けたフィードバックについては環境委員会での決定事項とともに、国内および海外グループ会社まで周知・展開する体制をとっています。
本委員会における議論のうち、経営上の重要な意思決定に関わるものについては、経営執行における意思決定機関である経営会議での審議を経て、取締役会に付議しています。
環境管理責任者連絡会は、工場・事業所における環境法令の遵守や地域社会への環境負荷低減を中心に取り組み、その活動内容は環境委員会に報告されます。

環境管理体制図

環境委員会

委員長

グループESG担当役員

委員

事業領域、地区事業所および委員長が指名する本社部門における環境統括責任者

事務局

総務部

2024年度の開催回数

3回

戦略

IHIグループは、短期(~2025年度)、中期(~2030年度)、長期(~2050年度)ごとに目標を定めて環境活動に取り組んでいます。短期的にはグループ経営方針と連動して3カ年ごとにグループの環境活動計画を立てて環境活動に取り組んでいます。環境活動計画は、社会が求める環境価値の提供を念頭に、「IHIグループ環境基本方針」に基づき策定しています。
2023〜2025年度の3カ年計画「IHIグループ環境活動計画2023」は、「気候変動への対策」「地球環境の保全」「資源循環型社会の形成」の3つの柱で構成しています。

ビジネスプロセスにおける環境への取り組み

ビジネスプロセス 取り組み事例 参照
研究、開発
  • モデルベース開発の導入による開発期間の短縮
  • クリーンエネルギー分野の技術開発
  • 自動化・省人化技術の開発

気候変動への対策

イノベーション・マネジメント

設計
  • 製品ライフサイクル全体でGHG排出量を削減するための設計
  • 社会ストックの有効活用を考慮した設計

気候変動への対策

資源循環型社会の形成

調達
  • 「IHIグループ取引先行動指針」への環境テーマ(気候変動への対策、水資源・化学物質・廃棄物の適正管理、生物多様性の保全)の組み込み

サプライチェーン・マネジメントの強化

PDF:IHIグループ調達基本方針(1.3MB)

製造
  • エネルギー使用状況に応じた省エネルギー活動、低炭素エネルギーの使用
  • DXの導入による生産工場のスマートファクトリー化
  • 環境法令・規制に基づいた排水管理、化学物質管理
  • 取水量のモニタリングによる水使用量の低減
  • 原材料の歩留まり向上、分別の徹底によるリサイクル率の向上

気候変動への対策

地球環境の保全(汚染防止・生物多様性保全)

資源循環型社会の形成

イノベーション・マネジメント

営業、販売
  • 環境負荷の低減に貢献する製品・サービスの提案
  • カーボンニュートラル実現に貢献する製品の販売
  • 気候変動への適応のための製品の販売

環境マネジメント

気候変動への対策

物流
  • 積載率の向上、船舶の積極的使用によるモーダルシフト推進

気候変動への対策

使用、保守、廃棄
  • 省エネ・省資源、製品の長寿命化につながるライフサイクルビジネスの展開

中期経営計画「グループ経営方針2023」

リスク管理

IHIグループは、グループ全体のリスク管理活動の一つとして、環境リスク低減のための環境設備投資、法規制への対応、省エネ、廃棄物排出量の削減など環境負荷低減に取り組んでいます。事業領域やSBUごとに、これらの個別テーマに沿った環境活動計画を年度初めに立案し、進捗を含めて環境委員会においてフォローアップし、PDCAサイクルを回しています。また、リスク管理会議において、環境事故・法令違反について報告しています。
また、製品・サービスが環境に与える影響を評価して、環境性能に優れたものを提供しています。

環境情報の収集とモニタリング

IHIグループは、海外グループ会社を含めて環境管理の対象拠点を設定しています。各拠点に責任者を置き環境活動を展開し、環境情報の収集とモニタリングにより適切な管理をしています。
環境管理対象となるグループ各社の事業形態はさまざまで、工場を有し生産活動を行う会社、エンジニアリングと現場での建設工事を主体とする会社、工場を持たず事務所部門のみの会社などがあるため、それぞれの特徴を踏まえた管理をしています。拠点ごとにGHGの排出やエネルギーおよび水の利用などについての管理体制を確認し、効率的に環境情報を収集する仕組みを構築しています。
また、GHG排出量のうちScope3のカテゴリ11については、2023年度にIHIグループの対象となる全ての製品ごとの算定を行い、データを収集・モニタリングすべき製品を特定しました。2024年度は、それらの製品について削減ロードマップの策定に着手しました。

エネルギー管理

IHIグループでは、エネルギー使用量を削減するため、適時適切な環境情報のモニタリングを行っています。エネルギー使用量の多い工場を中心に、リアルタイムでエネルギー使用を見える化し、把握できるシステムを導入しています。さらに、これらの工場では第三者による省エネ診断を実施するなど、常にエネルギー使用状況に応じた省エネ活動に取り組んでいます。

ISO14001(環境マネジメントシステム)

IHIグループは、主要な生産拠点を中心に、各環境管理拠点単位で環境マネジメントシステム(EMS)を確立し、環境管理活動のPDCAサイクルを回しています。また、各環境管理拠点でISO14001認証を取得し、確立したEMSが国際レベルであることを担保しています。
ISO14001認証は、各環境管理拠点の事業活動に最適な審査機関で取得しています。

ISO14001内部監査・外部監査

IHIグループは、ISO14001に基づくEMSの適合性と有効性を、各環境管理拠点で定期的に実施される内部監査・外部審査を通じて評価し、改善を繰り返して環境管理レベルの向上に努めています。
2024年度の外部審査では、ISO14001認証取得の全環境管理拠点で改善指摘事項がなく、ISO14001の要求事項に適合したEMSの維持を確認しました。

製品・サービスを通じた環境負荷低減

IHIグループは、製品・サービスの設計から材料調達、製造、使用、廃棄に至るまでの環境負荷に関する情報を収集・算定し、負荷低減のための管理をしています。
製品のライフサイクル(研究、開発、設計、調達、製造、使用、サービス、廃棄)の各段階で、環境配慮(省エネルギー、GHG排出量の削減、省資源、環境リスク低減)が組み込まれているかを評価しています。
IHIグループは、環境への負荷低減のために次のような製品を提供しています。特に、環境委員会で環境性能が優れていると認定したものを「環境配慮製品」としています。(*印が環境配慮製品)

  • エネルギー関連機器
    コージェネレーション設備、原子力発電用機器・装置、原子燃料サイクル関連機器設備、火力発電所・産業プラント用環境装置(排煙脱硝装置/排煙脱硫装置)、地熱発電用大型冷却塔
  • 防災・減災
    気象観測機器・装置、河川・ダム用水門設備
  • モビリティ
    自動車用ターボチャージャー*、低床式路面電車システム(LRT:Light Rail Transit)*、新交通システム*
  • その他
    嫌気性排水処理装置、環境配慮型ビル(豊洲フォレシア)*

環境配慮製品の認定プロセス

指標と目標

IHIグループ環境活動計画2023(2023〜2025年度)

(対象:IHIおよび連結子会社)

活動計画 2025年度の目標
気候変動への対策 設備投資によるScope1、2合計を2022年度比で12,000t-CO2e削減
エネルギー消費原単位を2022年度比で3%削減
地球環境の保全 環境事故および環境法令違反の発生件数ゼロ
資源循環型社会の形成 廃棄物排出量を2022年度比で3%以上削減
  • リサイクル率の定義見直し
  • 最終処分量を全廃棄物の90wt%以上把握
取水量を2022年度比で3%以上削減

ISO14001認証取得状況

対象 項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
IHIおよび連結子会社 拠点数 45 45 45 46
カバー率(エネルギー消費量ベース)(%) 80.8 81.3 81.0 85.1
カバー率(拠点数ベース)(%) 60.8 60.0 61.6 64.8
IHIおよび国内関係会社 拠点数 37 37 36 36
カバー率(エネルギー消費量ベース)(%) 84.4 83.7
カバー率(拠点数ベース)(%) 61.7 59.7 60.0 60.0
海外関係会社 拠点数 8 8 9 10
カバー率(エネルギー消費量ベース)(%) 60.5 97.1
カバー率(拠点数ベース)(%) 57.1 61.5 69.2 90.9

取り組み

教育・浸透

環境教育

IHIグループでは、環境教育として、全従業員を対象とした教育・浸透活動と、各環境管理拠点の管理担当者などを対象とした教育を実施しています。
環境教育については、「サステナビリティ・ESG」をテーマとしたe-ラーニングの中で行っています。また、毎年6月を環境月間と定め、従業員の環境意識の底上げを図るために、全従業員を対象とした環境クイズや、社内報を通じてカーボンニュートラルに向けた社内活動の情報提供を行っています。
またISO14001認証を取得している環境管理拠点では、これに基づいた教育を実施しており、節水、廃棄物管理、省エネなどの意識付けを行っています。

環境教育・研修の受講者数

(単位:名、対象:IHIおよび国内関係会社)

対象者 教育内容 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
従業員 e-ラーニング 4,625
環境クイズ 4,220 1,992 2,674 2,554
環境担当者 省エネ集合研修など 88 68 114
サーキュラーエコノミー研修など 56 51 86

環境負荷低減

環境負荷低減コスト

(単位:百万円、対象:IHIの工場・事業所)

項⽬ 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
投資額 357 563 1,048 1,377
費用額 92 151 365 778

環境関連設備投資(2024年度)

(単位:百万円、対象:IHIの工場・事業所)

種別 投資金額 主な内容 投資効果
省エネ・気候変動対策 872 工場内個別空調設備の導入など 使用エネルギーの減少およびCO2排出量の削減
環境リスク対策 505 老朽化設備の更新など 重大な環境法令違反と環境事故発生はゼロ
合計 1,377

連結子会社の投資金額を含めた場合、1,671百万円です。

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