Change
Location

現在は日本サイトをご利用中です

第52巻 第2号(平成24年6月発行)
ものづくり-産業を支える機械- 特集号

/technology/review_library/2012/__icsFiles/afieldfile/2020/05/26/00_.jpg

1.巻頭言

巻頭言

ものづくり -産業を支える機械- 特集号の発刊にあたって

  • 取締役 常務執行役員 産業・環境・ロジスティックスセクター長 
  • 瓦谷立身

2.見えない資産

見えない資産1

エンジンのお医者さま ~病巣を見抜く目~

  • 航空宇宙事業本部生産センター 
  • 野田誠治

見えない資産2

大きく厚い鉄板を自在に曲げる ~鉄の魔術師,曲げの匠~

  • 株式会社アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド 
  • 新谷琢磨

見えない資産3

大型機械にいのちをふきこむ ~回転機械の電気屋さん~

  • 回転機械セクター横浜第二工場組立運転グループ 松本充史回転機械セクター横浜第二工場
  • 組立運転グループ
  • 松本充史

3.てくのすこーぷ

てくのすこーぷ

てくのすこーぷで視たジェットエンジンの発明

  • 知的財産部

4.我が社の看板娘

我が社の看板娘1

速い!綺麗!省エネ!製紙業界をリードする最新システム 紙の表面にコーティングする工程を一新 驚異的な省エネを実現 製紙用カーテン式塗工 設備(DFコータ)

株式会社IHIフォイトペーパーテクノロジー DFコータは,塗工によって紙に機能を付与する工程に欠かせない設備.従来の塗工機に比べて,原料25%,乾燥用燃料72%,電力86%の削減を達成し,「平成23 (2011) 年度優秀省エネルギー機器 資源エネルギー庁長官賞」を受賞した製紙業界で注目の最新システムである.

我が社の看板娘2

神技が支える毛髪1/20の誤差 ゴム,プラスチック,太陽電池セル用フィルム・・・樹脂シートの成形で活躍するIHIのカレンダ

  • 株式会社IHI機械システム

16世紀に誕生したフィルム加工機「カレンダ」はIHIによって再生され,半世紀にわたるロングセラー商品となった.最近300台目を受注したカレンダはフィルムの厚さのばらつきが5μm以下というハイテク・マシンである.これを支えているのが伝統的な組立技術であり,ものづくり会社IHIの自慢の逸品である.

我が社の看板娘3

日本の“ものづくり”をパワフルに支える最新鋭の高炉 住友金属工業株式会社 和歌山製鉄所 新第1高炉,新第2高炉

  • 株式会社IHI

1941年以来,改修を含め90基以上の高炉プラントを建設し続けてきた株式会社IHI.2009年から稼働している住友金属和歌山製鉄所の新第1高炉(高さ50m,内径15m)に続き,2013年の2月には生産能力・仕様ともに同様の新第2高炉も完成し,火入れの予定である.“双子高炉”とも呼ばれる,新第1,新第2に採用されたIHIの最新鋭高炉を紹介する.

我が社の看板娘4

微細なほこりも出さない徹底した工夫満載! フラット・パネル・ディスプレイの製造現場で活躍するクリーンルーム向けスタッカーク レーン

  • 株式会社IHI

24時間体制でフル稼働するフラット・パネル・ディスプレイ製造現場.そこで走り続けるスタッカークレーンには高速性と耐久性に加えて緻密さと繊細さが求められる.その技術と工夫を紹介する.

我が社の看板娘5

わずかな油漏れも見逃さない!! 最速12秒高速検知 .検知しにくかった軽油,灯油,ジェット燃料も高感度検知 オイルリークモニタ「高感度型無水防爆センサ」

  • 株式会社IHIエスキューブ

従来の光学式オイルリークモニタでは,ジェット燃料であるケロシンや,ガソリン,灯油,軽油は屈折率が低いために検知できなかった.しかし,光ファイバを曲げたときに漏れ出す光を利用しようという発想が,この課題を解決させた.

5.我が社のいち押し技術

我が社のいち押し技術1

真空でコーティング部品の高機能化へのアプローチ Hauzer Techno Coating B.V.の成膜装置Flexicoatシリーズで実現する低摺動性,耐摩耗性

  • Hauzer Techno Coating B.V.

真空中で金属やプラスチック部品に,耐摩耗性,低摩擦性の機能をもった薄い層をコーティングする技術はドライコーティングと呼ばれている.装飾品用,自動車部品用,切削工具用などで実績のあるHauzer Techno Coating B.V.(以下,HTC)が,次世代のハードコーティング技術と装置を提供する.

我が社のいち押し技術2

3D CADはコミュニケーションツール 圧延機事業の3D CAD活用による設計効率改善

  • 3D CADはコミュニケーションツール 圧延機事業の3D CAD活用による設計効率改善

IT技術の進歩と共に設計ツール (CAD) も大幅に進化し,設計現場で3D CADが当たり前に使われる時代になった.これまでその普及を担ってきたのは自動車,航空機,船などや,大量生産品が中心である.これに対し圧延機という大型一品もの製品に3D CADを導入し,これを契機に設計効率を改善することで設計本来の業務としてのコミュニケーションを活性化させたIHIメタルテック株式会社 (IHIMT) の取り組みについて紹介する.

我が社のいち押し技術3

今こそガス! 炎の出ないガスヒータ IHIの燃焼技術が生んだ高効率密閉式ガスヒータ

  • 株式会社IHI
  • 佐藤公美

密閉式で裸火が出ない構造のため,ガス燃焼式でありながらクリーンな加熱を実現した新型のガスヒータである.ふく射加熱や表面の金属を介しての接触加熱の両方に対応可能であ
り,内部で排熱回収をし
ているため,高効率と高い燃焼安定性を同時に実現できる.

6.こんなビジネスが面白い

こんなビジネスが面白い

高温高圧技術が拡げる次世代半導体の世界 量産化が難しい窒化ガリウム (GaN) の製造技術にIHI機械システムが挑んだ

  • 株式会社IHI機械システム

光デバイス,パワーデバイスの性能向上と普及に欠かせない次世代半導体「窒化ガリウム
(GaN)」.株式会社IHI機械システム (IMS) と株式会社IHIではGaNの量産化に向けた高温高圧炉の開発を行っている.GaN半導体とは何か?その製造の鍵となる炉はどのようなものなのか?

7.箸休め

箸休め

ゲームとコンピュータ,そして人間

  • 技術開発本部 阪野賢治

8.技術論文および解説

技術論文および解説1

非鉄材料用圧延機とそのコア技術

  • 中山勝巳,口 誠寛,小川 宗,松澤 司,佐藤一幸

IHIグループでは,鉄鋼向け圧延機とともに,アルミニウムや伸銅板などの非鉄材料向け圧延機の設計・製作を行っており,国内外に多数の納入実績をもつ.非鉄材料用圧延機は,生産される材料の品種やサイズが多岐にわたり,鉄鋼用圧延機にはない特長も備える.工業材料の多様化に伴い,今後も非鉄材料向け圧延機の需要はますます拡大するものと予想される.本稿では,IHIメタルテック株式会社のアルミニウムおよび伸銅板用圧延機のラインナップを紹介するとともに,その技術的特長について解説する.

技術論文および解説2

高温大型ホットプレスダイスシステムへのC/C複合材料の適用

  • 山内 宏,井出 大,早川浩永,鈴木 茂,岸 克宏

セラミックスなどを焼結成形する高温ホットプレスダイスシステムのモールドおよびスペーサには,炭素繊維強化炭素複合材料(C/C複合材料)が有望な材料である.そこで,株式会社IHIエアロスペースが保有する大型熱間等方加圧 (HIP) 装置を使用し,C/C複合材料の炭素繊維と製造プロセスの最適化を図り,2 000℃以上の高温環境下で使用するホットプレスダイス構成部品の大型C/CモールドとC/Cスペーサを開発した.これらの試作部品を,株式会社超高温材料研究センターのホットプレス設備に実装して耐久試験を行うことによって,その有効性を確認して実機適用へのめどを得た.

技術論文および解説3

ロボットアームによる精密仕上げ自動化技術の開発

  • 曽根原光治,林浩一郎,西嶋和之,村上弘記

複雑形状をもつ部品のエッジ部の面取りや,曲面などの表面の磨きなど,熟練技能を要する仕上げ作業の自動化が求められている.そこでロボットアームによる力倣い制御ベースのシステムを開発した.磨き加工に対しては,力倣い制御を適用し,また面取り加工に対しては,同制御だけでは十分な精度・速度を両立できなかったことから,力倣い制御による形状計測と,位置制御による加工を分けて行う新たな手法を提案し,試験で有効性を確認した.本稿では開発したシステム,加工手法,試験結果を紹介する.

技術論文および解説4

PWR向けAlloy 690異材継手部における溶接技術の開発

  • 松岡孝昭,山岡弘人,平野賢治,平野 隆

現在,PWR型の原子力発電プラントでは,耐食性の観点からCrをさらに添加したAlloy 690系材料が多く使用されている.そこで,PWR型原子力発電プラントの機器製造に向け,Alloy 690系溶接材料の各種性能試験を実施し,最適な溶接材料の選定を行った.また,溶接施工の難しい異材の継手部に対して適正な溶接条件範囲の選定を行い,実機を模擬した異材配管により,溶接条件の検証を行った.その結果,非常に良好な継手を製作することが可能となった.

技術論文および解説5

水域・水際向け監視センサiLScanner®

  • 髙野武寿,原田二郎

重要施設では高いセキュリティが必要とされ,厳重な警備が行われている.海に面した施設の水域や水際では目視によって警備されている例があり,疲労によるヒューマンエラーを予防するため,監視の自動化が望まれる.しかし,フェンスなどの障壁を設けられないこと,波や日照変化などの外乱が多いことから,赤外線ビームセンサや画像センサでは,失報や誤報が多く発生するという問題があった.そこでレーザ光を用いて空間を立体的に監視する,水域や水際に適した監視センサを開発したので紹介する.