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カーボンリサイクル技術によるCO₂循環利用

  • 執筆者の所属名は発行当時のものです。
  • IHI技報に掲載されている情報は発行当時のものです。開発、製品製造を終了している可能性がありますので、ご了承ください。

カーボンリサイクル

事業所等からの排ガス中や大気中からCO₂を回収する技術と、CO₂から炭化水素類を合成する技術を組み合わせ、CO₂を循環利用するカーボンリサイクル技術の開発を進めています。

カーボンリサイクルの概要
カーボンリサイクルの概要

CO₂回収

CO₂化学吸収法のイメージ図
CO₂化学吸収法のイメージ図

化学吸収法によって燃焼排ガスなどからCO₂を回収する技術を保有しています。従来の技術ではCO₂の分離に際し多くのエネルギーを必要としていましたが、独自に開発した吸収液を用いることで消費エネルギーを約40%低減することに成功しました。ベンチスケール試験からパイロットプラント、さらには実機の火力発電所での実証試験を実施し、その性能を実証しました。現在は、大気中のCO₂を効率よく回収する技術の開発も進めています。

化学吸収パイロットプラント(処理能力:20 t-CO₂/d)
化学吸収パイロットプラント(処理能力:20 t-CO₂/d)

メタネーション

メタネーションは、CO₂と水素(H₂)を触媒で反応させることで、天然ガスの主成分であるメタンを、合成メタン(e-methane)として製造するカーボンリサイクル技術です。IHIは、高性能で長寿命な独自の触媒の開発と、高効率なメタネーション装置の設計・開発に取り組んでいます。合成メタンの社会実装にむけた大型プラントの実用化を目指しており、小型の試験装置(12.5Nm³/h)を用いた実証実験を通じて技術の最適化を進めています。

SAF

CO₂と水素(H₂)から直接SAF(持続可能な航空燃料)を作り出す技術を開発しています。触媒技術やプロセス最適化を通じて、SAFの製造効率を向上させ、コスト競争力を高めています。

さまざまな炭化水素類の合成技術
さまざまな炭化水素類の合成技術