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強靭な社会インフラ創出による保全・防災・減災

  • 執筆者の所属名は発行当時のものです。
  • IHI技報に掲載されている情報は発行当時のものです。開発、製品製造を終了している可能性がありますので、ご了承ください。

橋梁保全

(株)IHIインフラシステムでは、重要なライフラインである橋梁を巨大地震の発生時も落橋させないための耐震補強工事や、社会資本を長く利用していくための点検・調査診断・補修工事を行っています。
例えば、建設から30年以上経過した吊橋や、300kmを超えるネットワークの首都高速道路は、過酷な使用環境と老朽化による耐力低下が懸念されるため、損傷箇所の補修・補強または改築により、延命・維持を図る工事に取り組んでいます。
また今後は初期段階から維持補修に関する技術を橋梁建設に盛り込み、ビジネスとしてお客さまと共同でメンテナンスを実施することを計画しています。

気象防災

IHIは、衛星データ、AI、IoT技術を活用して、独自の高精度な中長期気象予報技術の開発を進めています。
例えば、気象状況により生じるビジネスチャンスの拡大や、ビジネスリスクの回避に役立つ情報提供サービスを目指しています。
また、明星電気(株)の超高密度気象観測システムPOTEKA®は、ピンポイントのリアルタイム気象情報を提供し、地域の防災・減災に貢献します。

可視化(三次元レーザレーダ)

三次元レーザレーダは、事故防止を目的に、物体の位置、速度をリアルタイムに計測する装置で、夜間はもちろん、雨や雪などの悪天候下や粉じんなどの悪環境に強いことが特長です。
IHIは、三次元レーザレーダを道路交通分野と鉄道分野に適用し、車両や人を計測する装置として実用化しました。
また、交差点での実証実験を、国内やシンガポールで重ねてきました。
2021年に横浜市の公道で行われた実証実験では、三次元レーザレーダが対向車両を検知し、中型自動運転バスの交差点右折を支援しました。

過酷環境での遠隔操作

福島第一原子力発電所の廃炉に向けた取り組みとして、原子炉周辺の状況を把握するさまざまな調査や技術開発が進められています。IHIは水中環境に着目し、人が近づけない過酷な環境でアクセスできる水中遊泳型の遠隔操縦ロボットシステムを開発しました。

高放射線環境下の除染作業は、作業員の被ばくを防ぐため、遠隔操作で実施することが望まれます。IHIは、(株)IHI検査計測が開発した既存のレーザクリーニング装置「レーザクリア®」を利用して、「遠隔レーザ除染装置」を開発しました。本装置は、二次廃棄物の発生を抑制し、かつ優れた遠隔作業性を提供できます。

免震・制振

IHIグループは、数々の免震・制振装置の開発を進めてきました。
例えば、レベル2地震動(現在から将来にわたって当該地点で考えられる最大級の強さをもつ地震動)を想定した荷役設備向けの免震装置を開発し、お客さまに納入しています。

また、大地震が発生した後も、銀行など社会的に重要な機関のコンピューターシステム機能を正常に維持する免震床システムを開発し、お客さまに納入しています。