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第49巻 第4号(平成21年12月発行)
-環境保全・地球温暖化防止対策に貢献する IHI の製品・技術-特集号-

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700℃級先進超々臨界圧( A-USC )ボイラ技術の開発

  • 高野伸一、青木 裕、久布白圭司、冨山信勝、中川博勝

石炭焚き発電システムのさらなる高効率化、CO2排出量の削減に向けて、当社は豊富な納入実績をもつUSC技術をベースに蒸気温度を従来のUSCの600℃級から700℃級に引き上げたA-USCボイラの開発を推進している。これまでに、開発材料であるNi基/Fe-Ni基材料、改良型9Cr鋼材料を対象に溶接試験とクリープ試験を含む溶接継手の性能評価を実施し、板材の継手の良好な結果を得ている。また、開発材料の母材に関するクリープ疲労について基本データを取得し、完了した。

酸素燃焼技術を用いたCO2回収型石炭火力発電ボイラの実証に向けた検討

  • 山田敏彦、石井 徹、高藤 誠、磯 良行

酸素燃焼技術を利用した石炭火力発電からのCO2回収システムは、大規模CO2排出削減方法の一つとして注目されており、世界各国で研究開発および実証が進められている。当社では、オーストラリアのカライド酸素燃焼プロジェクトに参画し、酸素燃焼ボイラによる発電システムの実証に向けて取り組んでいる。本稿では、酸素燃焼ボイラの特性予測と、安全で安定した運転技術を確立するための検討について紹介する。これらの検討結果は、実証運転のなかで評価・確認され、商用機設計のためのデータとして蓄積される。

22AG型ガスエンジンによる汚泥発酵メタンガス発電設備

  • 橋本 徹、後藤 悟

下水処理場の汚泥処理過程では消化ガスが発生する。従来はこのガスを大気放出していたが、環境問題やエネルギー枯渇問題の観点から、このガスを発電用エンジンの燃料として利用する動きが広がっている。しかし、このガスには燃焼を抑制する作用のある二酸化炭素が含まれており燃焼性が悪い。これに対し、新潟原動機株式会社が開発した22AG型ガスエンジンは、その強力な着火源によって消化ガスの安定燃焼が可能であり、エネルギーの有効利用を目的として、森ヶ崎水再生センター ( 東京都 ) で稼働している。

ふく射伝熱方式熱電変換技術の開発

  • 徳良 晋、太田稔智、茂垣康弘、上松和夫

熱電変換モジュールを使った廃熱回収システムを、抵抗加熱式真空熱処理炉適用の省エネ技術として検討してきた。水冷された外壁の内面に電極が露出した熱電変換モジュールを配置する。内部の高温壁からのふく射廃熱は、モジュール表面に直接、伝導伝熱ではなく、非接触でふく射伝熱させる。これによってモジュール両端の温度差が大きくなり、結果として高いシステム変換効率と効果的な廃熱回収が期待できる。本稿では、この新規ふく射伝熱方式熱電変換技術の技術実証試験および適用検討の成果を紹介する。

水和物による高効率蓄熱技術の開発

  • 中島雅祐、平田 淳

シクロペンタン水和物( クラスレートハイドレート )を利用した冷房空調温度の蓄熱技術を開発している。冷凍機運転温度が空調温度にマッチするため、従来の氷蓄熱よりも高効率となる。シクロペンタンと水の水和反応を促進するために、シクロペンタン液滴を水中に分散させたエマルション蓄熱材を採用した。ベンチ規模の蓄熱試験を実施し、夜間電力利用時間で蓄熱槽のコンパクト化が図れる蓄熱密度と、昼間電力ピークカットに必要な放熱速度の目標に対して実用的な能力があることを確認した。

メタンハイドレート生産時の環境影響評価のための総合モニタリングシステムの開発 -フェーズ1の成果概要-

  • 上田 聡、粟島裕治、真鍋英男

国産エネルギーとして活用が期待されるメタンハイドレートは、経済産業省の長期計画に基づき官民学共同で組織された「メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(通称:MH21)」の主導で開発研究が進められ、8年間のフェーズ1を経て、2009年度から海洋産出試験を主課題とするフェーズ2に進んでいる。株式会社アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッドは、フェーズ1において、環境影響評価に供される総合モニタリングシステムの開発を担当した。本稿では、フェーズ1での成果と今後の展望について述べる。

海中調査向け無人水中航走体

  • 須藤 拓、深井隆広、小林 陽

海洋基本法の発足を受けて海洋資源の調査・開発に関するプログラムが具体的にスタートしている。そのなかで海底資源の賦ふ存領域の調査や海底環境の調査に無人の水中機器の利用が検討されている。特に熱水鉱床やマンガンクラストなどの資源については賦存領域が水深1 000 mを超える深海となるため、ケーブルでつながれていない無人水中航走体の利用が有力視されている。当社は、水中航走体の研究開発を長年にわたり実施し、こうしたニーズにも対応可能な水中航走体制御技術および開発支援環境をもっており、その現状について紹介する。

部品の長寿命化と部品の機能回復に役立つ MSCoating 技術

  • 落合宏行、渡辺光敏、荒井幹也、吉澤廣喜

耐摩耗性など航空エンジンに限らず部品の寿命延長に有効で、また、従来は廃却にせざるをえなかった部品を修理によって回復できる技術MSCoatingを開発し、適用を開始している。長期的にみれば、省エネで環境に優しい技術である。微少放電のエネルギーを使い金属の表面に、摩耗し難い性質、風化し難い性質、酸に犯され難い性質、熱を伝え難い性質などを局所に付けることが可能である。前処理、後処理が不要で、小さな設備で流れ生産のラインに組み込むことが可能である。

生産現場の環境・省エネを考える水潤滑式オイルフリースクリュコンプレッサGPシリーズ

  • 回転機械セクター開発部

Hauzer Techno Coating B.V. のコーティング装置と技術

  • 産業システムセクター薄膜・表面処理プロジェクト部
  • Hauzer Techno Coating B.V.