巻頭言

ものづくり特集号の発刊にあたって
- 代表取締役会長
- 釡 和明
Change
Location
現在は日本サイトをご利用中です
巻頭言
巻頭言:
ものづくり特集号の発刊にあたって
巻頭記事
巻頭記事1:
IHIのものづくり系譜
巻頭記事2:
航空宇宙事業本部が目指すものづくり
見えない資産
見えない資産1:
世界最古の金属加工技術「鋳造」のDNAを世界に引き継ぐ
見えない資産2:
部品の製作精度を上げ,機械加工を国内に取り戻せ!
見えない資産3:
職場改善で工期を短縮し,大型受注を目指せ!
我が社の看板娘
我が社の看板娘1:
大型セグメントの計測も一人で楽々! 大口径トンネル用セグメントの計測も,一人で短時間で行える三次元寸法計測システム
我が社のいち押し技術
我が社のいち押し技術1:
電力エネルギーの基盤を担う至高の熱交換器 徹底した自働化により蒸気発生器の高品質・短納期を実現
我が社のいち押し技術2:
未来型の溶接は金属を溶かさず火花も飛ばしません 摩擦攪拌接合がLNGアルミタンク製造にもたらしたイノベーション
我が社のいち押し技術3:
ICTで現場の実績を簡単記録「ものづくり力」を強くする! 工作機械の稼働実績を自動記録現場改善のPDCAをスピードアップ
こんなビジネスが面白い
こんなビジネスが面白い1:
最新技術と匠の技を融合する 3Dプリンター砂型造形によるものづくりの技術革新
こんなビジネスが面白い2:
金属3Dプリンターによるものづくりの技術革新 金属3Dプリンターの夢と現実,そしてものづくりへの期待
箸休め
箸休め:
生きている単結晶
論文・解説
論文・解説1:
IHIグループのものづくり改革の推進
論文・解説2:
東南アジアにおける「ものづくり支援」
論文・解説3:
設計アイデアに及ぼすチームワークと機能本位思考の効果
論文・解説4:
液化アルゴンタンク(角型メンブレンタンク)の建設報告
論文・解説5:
LM6000ガスタービンパッケージ組立工期短縮活動
論文・解説6:
道路インフラ老朽化の現状と今後の取組み —首都高速八重洲線汐留高架橋の架替工事を踏まえて—
論文・解説7:
大径管全姿勢自動TIG溶接の開発と適用
ものづくり特集号の発刊にあたって
IHIのものづくり系譜
航空宇宙事業本部が目指すものづくり
世界最古の金属加工技術「鋳造」のDNAを世界に引き継ぐ
部品の製作精度を上げ,機械加工を国内に取り戻せ!
職場改善で工期を短縮し,大型受注を目指せ!
大型セグメントの計測も一人で楽々! 大口径トンネル用セグメントの計測も,一人で短時間で行える三次元寸法計測システム
これまで,コンクリートセグメントの寸法計測は手作業が主体であった.株式会社IHI建材工業は,計測作業の作業者負担の大幅な軽減と,コストダウンを目的に,多関節アームを活用した三次元寸法計測システムを世界で初めて開発した.
電力エネルギーの基盤を担う至高の熱交換器 徹底した自働化により蒸気発生器の高品質・短納期を実現
原子炉圧力容器の製造で世界トップクラスの納入実績を誇るIHIが,新たに加圧水型原子力発電所の主要機器「蒸気発生器(SG:Steam Generator)」の製造にチャレンジしている.最高の信頼性が求められるSGへの取り組みについて紹介する.
未来型の溶接は金属を溶かさず火花も飛ばしません 摩擦攪拌接合がLNGアルミタンク製造にもたらしたイノベーション
LNGアルミニウム製タンクの新しい製造法として摩擦攪拌接合(FSW)が注目されている.摩擦熱によって部材を軟化させて接合するので,従来のアーク溶接と異なり溶接材料やシールドガスが不要で溶接ひずみが非常に小さい.これは従来の溶接の概念を覆す接合技術である.
ICTで現場の実績を簡単記録「ものづくり力」を強くする! 工作機械の稼働実績を自動記録現場改善のPDCAをスピードアップ
IoTやM2Mなど,新しいICT(Information and Communication Technology)をものづくりの現場に適用する動きが広がっている.IHIグループでもICTを活用して,工作機械の稼働実績や加工対象の把握を行い,現場改善のスピードアップを実現している.
最新技術と匠の技を融合する 3Dプリンター砂型造形によるものづくりの技術革新
「3Dプリンター革命」と呼ばれるほど,ものづくりを変える技術として3Dプリンターが注目を集めている.しかし,データをプリンターに送るだけでは,「ものづくり」は完成しない.設計や製造のさまざまなノウハウと融合することによって,はじめて新しいものづくりのツールとして活用することが可能になる.これまでに蓄積した鋳造技術を最新の3Dプリンター砂型造形に活かす,IHIの取り組みを紹介する.
金属3Dプリンターによるものづくりの技術革新 金属3Dプリンターの夢と現実,そしてものづくりへの期待
生きている単結晶
IHIグループのものづくり改革の推進
従来,IHIグループの改善活動は,製造・建設における生産のスピードアップが中心であり,優れた要素技術がこれを支えてきた.そして現在,お客さまの要求するニーズ・スピードに応える製品・サービスを提供するために,IHIグループの総合力を発揮した,従来とは異なる新しいものづくり改革を推進している.本稿では,この中核となる,ものづくり改革の3本柱(製品競争力の強化・Make or Buyの最適化・プロセスのスピードアップ)について説明する.
東南アジアにおける「ものづくり支援」
日本で行われる生産性向上の活動は,主に「より少ない人員で」,「より少ない工数で」を目的としている.これは製造原価に占める人件費の割合が相対的に高く,人員や工数の削減がコストに及ぼす影響が大きいためである.一方,東南アジアの人件費は日本の約1/10であり,製造原価に占める人件費の割合は相対的に低いことから,人員や工数の削減はあまりコストに影響を及ぼさない.東南アジアでは「問題ない品質で」「短い生産リードタイムで」がより重要となる.本稿では,日本とは異なるアプローチが求められる東南アジアでの活動の一端を紹介する.
設計アイデアに及ぼすチームワークと機能本位思考の効果
製品の開発や改善時には機能,コスト両面を考慮した最適な設計が求められる.そのために幅広くアイデアを発想し,そのなかから質の高いアイデアを選択,価値の高い設計とする手段が必要である.こうした要求に応える管理技術の一つであるバリューエンジニアリングはチームデザインと機能本位思考によって,多様性が高く,かつ数多くのアイデアが得られるとされている.本研究では,発想されたアイデアの多様性を,情報エントロピーを活用して定量的に取り扱うことによって,チームデザインと機能本位思考の効果について当社内研修の実験データに基づいて検証するものである.
液化アルゴンタンク(角型メンブレンタンク)の建設報告
アメリカのフェルミ国立加速器研究所(Fermilab)から「LBNE 35 ton prototype project」で使用する-189℃の液化アルゴンタンクの設計,調達および建設アドバイザを受注した.この角型液化アルゴンタンクの受注はLNG(液化天然ガス)メンブレンタンクで蓄積された当社のメンブレンシステムが高く評価された結果である.ただし,タンクが角型であること,防液堤なしのタンクに要求されているメンブレンからの万一の漏えい時にコンクリート外槽を常温に保つセカンダリバリアシステムを採用したことが従来のLNG地下メンブレンタンクに比べて新規な点である.
LM6000ガスタービンパッケージ組立工期短縮活動
LM6000ガスタービンパッケージの販売拡大を受けて,従来60日掛かっていた組立工期を30日に短縮する目標を掲げ改善活動を実施した.すなわち,設計,生産管理,生産技術,製造が一体となって,四つの改善活動(部品配膳の仕組みづくり,部品納入のジャスト・イン・タイム,配管・機器の部分組立化,計装配管の事前曲げ)を推進した.この結果,呉第二工場のスペース,作業員,設備の拡充を行うことなくLM6000ガスタービンパッケージの組立工期30日を達成できた.
道路インフラ老朽化の現状と今後の取組み —首都高速八重洲線汐留高架橋の架替工事を踏まえて—
道路は,生活や経済活動に不可欠で基本的な社会インフラとして大きな役割を果たしている.そのうち,高度成長期に大量建設された道路橋は,現在,平均経過年数が44年と高齢化を迎えており,対策として予防保全が重要であることは言われて久しい.加えて,2013年12月に起こった笹子トンネルの天井板崩落事故は,老朽化インフラに対する取組み方に大きな課題を提起し,社会的な関心も急速に高まっている.本稿では,道路インフラの現状と動向,高速道路の更新計画,そして当社が施工した首都高速八重洲線汐留高架橋の架替工事を紹介しつつ,今後のメンテナンス事業に対する当社の取組みについて述べる.
大径管全姿勢自動TIG溶接の開発と適用
発電用火力ボイラ大径管の溶接施工は,近年の蒸気条件の高温・高圧化を背景に素材の厚肉化・高級化が進んでおり,従来と同様に製作納期短縮のニーズがある.このような情勢に伴い,溶接施工にはより高い品質・効率が求められる傾向にある.しかし,熟練した被覆アーク溶接士の確保が世代交代によって難しくなってきており,その育成には長期間にわたる訓練と経験が必要である.そこで,自動溶接施工技術を開発することによって,安定した品質と工期短縮を実現するとともに熟練工依存からの脱却を図る.本稿ではその開発経緯と実機への適用状況について述べる.