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第55巻 第4号(平成27年12月発行)
資源・エネルギー特集号

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巻頭言

巻頭言

資源・エネルギー特集号の発刊にあたって

  • 取締役常務執行役員 エネルギー・プラントセクター長
  • 堂元直哉

見えない資産

見えない資産1

世代間ギャップを跳び越えて溶接技術・組立技術の神髄を伝える

  • エネルギー・プラントセクター 相生工場
  • 星尾保和・岩崎一秀

見えない資産2

巨大LNGタンクの建設を支えるさまざまな機材は,遊び心から生まれた

  • IHIプラント建設株式会社
  • 西浦 功

見えない資産3

後工程から驚かれるほどの機械加工精度で,製品全体の品質向上をリードする

  • 原子力セクター 横浜工場
  • 千田直樹

我が社の看板娘

我が社の看板娘1

重油を節約 エコボイラ 助燃なしでオイルコークスを燃やせる低揮発分燃料バーナー

  • 株式会社IHI

2015年春,オイルコークスと重油を燃料とするボイラプラントに低揮発分燃料バーナーを導入した.従来は難しかったオイルコークスを安定燃焼させ,助燃のための重油を不要とすることで燃料費節約に貢献する.

我が社の看板娘2

ガスタービンを最高効率で働かせる 部分負荷でも高効率を実現!ガスタービン最適運用システム

  • 株式会社IHI

世界中で導入が増えているガスタービン発電設備.ここ数年,定格負荷だけでなく部分負荷でも高効率を望む声が増えている.幅広い運転範囲でもお客さまが常にメリットを享受できるIHIの発電制御システムとは?

我が社の看板娘3

さらなるエコへの挑戦 省エネと使い勝手を追求した小型貫流ボイラ 最新制御技術と各燃料における最新機種の紹介

  • 株式会社IHI汎用ボイラ

公的な運転資格を必要としない小型貫流ボイラが一般産業用ボイラの主力となっている.各メーカーがさまざまな工夫を凝らすなか,特許技術となるガス焚きボイラの燃焼負荷制御方法と,発停損失を低減した油焚き最新小型貫流ボイラを紹介する.

我が社の看板娘4

マレーシアの電力安定供給と経済発展に貢献する 徹底した灰堆積・付着対策を施した亜瀝青炭焚き超々臨界圧ボイラ

  • 株式会社IHI

豊富な埋蔵量とその分布エリアの広さ,そして価格の面から,現在も重要な発電用エネルギー源である石炭.IHIは独自の技術をもって,世界最高水準の高効率化によるCO2排出量低減,低品質炭の利用による資源の有効利用を実現するボイラ設備を世界各国に提供している.

我が社の看板娘5

ワンランク上の超音波検査 原子力の検査を簡単かつ高度にする新発想の超音波探傷装置「ARM-UT」

  • 株式会社IHI

先進の検査技術を提供し,原子力設備の安全性と信頼性の確保に取り組んできたIHI.最高レベルが求められる原子力設備の検査の現場で培われたノウハウを基に,新型の超音波探傷装置を紹介する.

我が社の看板娘6

石油化学プラントの心臓 直径6m,細管2万本の反応器 多管式反応器の内部流動予測技術とパッケージ化技術

  • 株式会社IHI

赤ちゃんの肌にやさしい紙おむつ.その肝は高吸水性樹脂と呼ばれるハイテク化学素材だ.これを日々産み出しているのがIHI製の巨大反応器.最新の装置に込められた最新の技術とは?

我が社のいち押し技術

我が社のいち押し技術1

未利用エネルギーの有効利用 —二塔式ガス化炉の活用— 褐炭・バイオマスなどをガス化し多用途利用を可能にする「二塔式ガス化炉TIGAR®」

  • 株式会社IHI

二塔式ガス化炉TIGAR®は,ほかのガス化炉と比較して低温・低圧な条件下で運転できる循環流動層技術を応用したガス化炉.褐炭など未利用燃料のガス化が可能で,運用性,経済性にも優れた魅力あるガス化炉プロセスが特長.実証プロジェクトをスタートさせ商用化へ前進!!

我が社のいち押し技術2

Ni基合金が拓く高効率な発電ボイラへの道 600℃級超々臨界圧(USC)から700℃級先進超々臨界圧(A-USC)へ

  • 株式会社IHI

石炭焚き発電ボイラにおけるCO2排出削減に向けた取り組みのなかで,経済性に優れた対応として,温度が700℃超の蒸気を発生させて発電の高効率化が図れることを実証する試験を実施している.

我が社のいち押し技術3

低炭素社会に適合した石炭火力発電の実現へ 化学吸収法によるCO2分離・回収技術の開発

  • 株式会社IHI

地球温暖化の緩和と電力の安定供給を両立するためには,石炭火力発電所からのCO2排出量低減が重要である.化学吸収法によるCO2分離回収技術の実用化に向けた取り組みについて,最新の成果を踏まえて紹介する.

こんなビジネスが面白い

こんなビジネスが面白い1

発電プラントゼロエミッション化へ大きく前進 石炭火力発電所における酸素燃焼技術を用いたCO2回収システム

  • 株式会社IHI

石炭火力発電所からは二酸化炭素(CO2)が大量に排出されており,急激な気候変動の要因の一つとなっている.石炭火力発電所からの環境汚染物質の排出を効率的にゼロにすべく,長年にわたり研究開発を続けてきた.カライド(オーストラリア)での実証試験を果たし,酸素燃焼は次のステップに向けて動き出す.

こんなビジネスが面白い2

コンパクトリアクターで化学プラントの常識をくつがえす 最新の化学反応理論によって実現した,小さく軽く,手軽に運べ,製造も運転も安い,驚きの高効率スチームリフォーマー

  • 株式会社IHI

安価な原料ガスから高付加価値品を製造するプラントは,今後ますます中小規模化,地産地消化が進む.さらなる高効率,低コストが求められるこの市場で,IHIのコンパクトリアクターは,わずか1/10の大きさで期待に応える最新の技術だ.

こんなビジネスが面白い3

発電事業者だからこそオススメできる太陽光発電所 太陽光発電所の安定運営を支える大規模発電所建設の自負

  • IHIプラント建設株式会社

30年以上大規模火力発電所や多くのプラントの設備施工を手掛けてきたIHIプラント建設株式会社は,その技術と経験を活かし,再生可能エネルギー事業を展開している.太陽光発電所建設をお客さまから安心して任せていただくために,自社発電所の運営を始め経験を積んでいる.さらに,設備診断技術,新モジュールの検討,再生可能エネルギーを組み合わせた新エネルギー供給システムを目指した取り組みを行っている.

箸休め

箸休め

お相撲の話

  • 技術開発本部
  • 錦織貞郎

論文・解説

論文・解説1

高効率褐炭焚きボイラの商業化に向けて

  • 花岡 亮,Benedikt Tressner

今後の石炭焚き発電設備用の燃料として,低品位炭利用の拡大が予想されている.特に現時点で未利用であることから燃料コスト低減が期待されること,および地産地消の観点から低品位炭のなかでも褐炭を燃料とした褐炭焚き発電設備市場の拡大が予想されている.当社としても,この褐炭焚き発電設備市場に参入するため,褐炭焚きボイラ技術の確立と高効率・低コスト化が可能となる予乾燥褐炭焚き設備による差別化技術の開発を行っている.このなかで,ヨーロッパで褐炭焚きボイラ設備に関する知見を豊富にもつSteinmüller Engineering GmbH社(SE社)をグループ会社とした.本稿では高効率褐炭焚き発電設備市場参入に向けたIHIグループの取組みについて紹介する.

論文・解説2

再生可能エネルギー大量導入時の航空転用型ガスタービンと同期調相機による電力系統安定化の検討

  • 西田怜美

近年,CO2削減の観点から再生可能エネルギーへの注目が高まっている.特に太陽光や風力発電の伸びが著しいが,これらの発電方式は天候に左右され出力が不安定で,かつ同期化力をもたないインバータによって連携されるため周波数調整能力がない.よって電力系統に大量接続した場合に系統を不安定にする恐れがある.系統安定化のために,起動性と負荷追従性に優れた航空転用型ガスタービンと発電機の同期調相機運転の組合せが北米で多く適用されている.本稿では日本で同期調相機がどのように系統安定に貢献してきたか,また今後どのように貢献できるかを述べる.

論文・解説3

LNG計装変換器盤全面更新工事と新工法紹介

  • 木原光樹

2015年4月から,中国電力株式会社柳井発電所において,LNG計装変換器盤の全面更新工事が開始された.工事スペースが限られているため,従来の工法が採用できないことや,LNG設備が長時間停止できないなどのさまざまな運用制約のなか,現在進行している工事の内容と今回採用した新たな工法について紹介する.

論文・解説4

リークを伴う管群の熱流動特性に関する研究

  • 水野昌幸,藤原浩介

シェル&チューブ熱交換器の管外側の主要流動要素のうち,管とバッフル孔が形成する環状隙間からのリーク流れと,リーク流れを伴う管群直交流の圧力損失特性を実験的に調べた.二つの損失係数に及ぼす隙間形状係数Zの影響は29<Z<55では比較的小さく,リーク比Rの影響も0.4<R<0.75では無視できることが分かった.また,主流と直交方向にリーク流れの流入がある場合の管群損失係数は,リーク流れの流出がある場合よりも小さいことが,実験およびRANS解析の実施によって明らかとなった.

論文・解説5

大規模太陽光発電所向け蓄電池制御技術の開発

  • 小熊祐司,前田宗彦,今久保知史,平尾俊幸

近年,日本では電力安定供給とエネルギー自給率向上のため,再生可能エネルギーの活用が提唱されており,特に大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設・系統連系が活発である.しかし,太陽光発電は日の陰りなど天候の影響を受けて発電電力が大きく変動するため,その大量導入に伴う系統の電圧や周波数への悪影響が懸念されている.本稿では,この課題を受け筆者らが開発に取り組んでいる,発電所から系統へ安定的に電力を供給するための蓄電池制御技術と,今後の展開について述べる.

論文・解説6

700℃級先進超々臨界圧(A-USC)プラント実現へ向けたボイラ技術開発

  • 久布白圭司,野村恭兵,松岡孝昭,中川博勝,室木克之

当社では,700℃級先進超々臨界圧(A-USC)発電技術の実用化に向けて,2008年から2013年までボイラ要素技術開発を実施してきた.特に,候補材料であるNi基合金配管の溶接技術および曲げ加工技術について検討した.その結果,材料間において溶接条件は異なるものの,すべての候補材料について溶接手法を確立した.また冷間曲げなどの曲げ加工技術についても,加工条件を確立した.確立した条件で,管寄せおよびループ管のモックアップを製作し,実機を想定した施工が可能であることを確認した.溶接部については,高温長時間における信頼性を検証するため,100 000hを目指したクリープ破断試験を実施中である.