2040年に向けた
成長戦略(価値創造戦略)
成長戦略の構造
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2040年に向けた成長の全体像
2040年に向けて「世界中の人々の安心・安全、豊かな暮らしを根幹から支える」というありたい姿を掲げ、社会の持続的な発展とIHIグループの飛躍的な成長の両立を目指しています。IHIグループは、長年培ってきた技術力を強みとして、高い参入障壁を築きながら競争優位を維持し、事業を発展させていきます。こうした強みを最も発揮できるのが、世界各国の産業基盤や安全保障を支える分野です。この考え方のもと、エアロスペース・エネルギー・インフラを、2040年に向けて社会課題の解決と成長の両立を目指す事業ドメインと定めました。
そして、技術と人財を成長の源泉として、バリューチェーンの創造とライフサイクルを通じた価値提供を推進し、持続的な成長を実現していきます。
2025年度(2026年3月期)決算説明会「中長期の方向性」p.4の図を簡略化して掲載 -
2040年のありたい姿
世界中の人々の安心・安全、
豊かな暮らしを根幹から支えるFor Industry & National Security
IHIグループは、世界中の人々が安心・安全かつ豊かに暮らせるよう、日本の産業力・国力を再び世界トップレベルに高めることに貢献するとともに、世界各国の経済・国家・エネルギーの安全保障を支えることを目指しています。
ありたい姿の再定義
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外部環境と社会課題の認識
IHIグループを取り巻く事業環境は大きく変化しています。事業に影響を及ぼす主な機会とリスクとして、以下のように認識しています。
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気候変動への適応と緩和の機会
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カーボンニュートラル化や自然災害などの社会環境の変化に備える適応が求められています。
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地政学情勢の複雑化による機会
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国同士・地域間での対立や緊張が増え、エネルギーや防衛、貿易をめぐる状況が不安定になっています。
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技術革新のリスク
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技術革新のスピードが速く、競争力を維持・強化するには、外部の知見を柔軟に取り入れながら、継続的に技術力を向上させることが求められています。
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サプライチェーンの分断リスク
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原材料や部品の調達が、国際情勢や災害などで滞るリスクが高まっています。
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少子高齢化によるリスク
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高齢化や人口減少により、働き手の確保や技能伝承が難しくなっています。
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AIの進展によるリスク
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AIの進展が加速しており、競争力を維持・強化するには、AIの積極的な活用と情報セキュリティ強化の両立が求められています。
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内部環境
構造改革の完了と持続的な
高成長フェーズへの移行IHIグループはこれまで、事業環境の大きな変化に対応するため、事業体質の変革と事業ポートフォリオ改革を進めてきました。特に「グループ経営方針2023」では、中核事業の構造改革や収益基盤の強化、資本効率の向上に取り組みました。その結果、事業ポートフォリオの再構築には一定の区切りがつき、現在はその成果を基盤としてさらなる成長を目指す段階へと進んでいます。
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成長のプロセス
2040年に向けた成長がどのように実現されるのか、そのプロセスを構成する主要な要素をひも解きます。
成長を支える技術・人財
―インプット―
技術戦略・人財戦略
IHIグループの成長を支えているのは、長年にわたり培ってきた技術と、それを事業につなげる人財です。
IHIグループはこれまで、「世の中にないものを創る技術」と「世の中にない作り方で創る技術」を強みとして、多様な事業を発展させてきました。これらの技術は、既存事業の競争力向上だけでなく、新たな事業や市場の創出を支える重要な基盤となっています。これからも継続的にイノベーションを創出することで、競争力のある技術を生み出します。
また、社会やお客さまが抱える課題は高度化・複雑化しており、1社だけで解決できるものではありません。そのため、IHIグループは社内の多様な専門人財に加え、お客さまやパートナーとの協働を通じて、困難な社会課題を解決していきます。
こうして培われる技術、人財、お客さまやパートナーとの関係性は、IHIグループの競争力を支える重要な経営資源となっています。成長の仕組み
―ビジネスモデル―
IHIグループの成長は、技術を起点に社会やお客さまが抱える難しい課題を解決し、その実績と信頼を積み重ねることで競争力を高めていくことで実現します。
IHIグループが主に事業を展開するのは、産業基盤や安全保障に関わる事業フィールドです。これらの事業フィールドでは、価格だけでなく、安全性や品質、長期安定運用への対応力が求められます。
IHIグループは、技術を磨き続けることで他社では対応が難しい課題を解決し、実績と信頼を積み重ねてきました。この積み重ねが、さらなる成長分野への挑戦を可能にし、競争力の向上につながっています。
今後は、こうした強みをさらに高めながら、培った技術や知見をグローバル市場へ展開するとともに、防衛・民間などの異なる分野で培った技術や製品を相互に活用することで成長の可能性を広げていきます。
IHIグループの事業戦略は、「ライフサイクルを通じた価値提供」による安定的なキャッシュ創出と、「バリューチェーンの創造」による新たな成長機会の創出を循環させることです。
IHIグループでは、製品を提供して終わるのではなく、その後の運用、保守、更新にも長期にわたって関わることで、お客さまと持続的な関係を築いています。
これにより、お客さまは安全性や品質、規制や認証への適合を維持しながら、製品・サービスを長期間にわたり安定して運用することができます。また、社会にとっても、産業や暮らしを支える基盤の維持・強化につながります。
さらに、その過程で得られる運用データ、お客さまとの接点から得た知見を改善や技術開発に活用することで、競争力を高めています。IHIグループでは、このような取り組みを「ライフサイクルを通じた価値提供」と位置付けています。
そして、ライフサイクルを通じて得られたキャッシュ・人財・技術を活用し、新たな市場や需要の創出にも取り組んでいます。社会やお客さまが抱える課題の中には、一つの製品やサービスだけでは解決できないものがあります。そのような場合には、お客さまやパートナーと連携しながら、技術、製品、サービス、運用の仕組みを組み合わせ、新たな市場や事業の仕組みを構築します。
市場の立ち上がり段階から関わることで、自らの強みを生かせる事業構造を築き、社会課題の解決と成長の両立を目指します。IHIグループでは、このような取り組みを「バリューチェーンの創造」と位置付けています。
こうして創出した新たな市場においても、ライフサイクルを通じた価値提供を展開することで継続的にキャッシュを創出していきます。
ライフサイクルを通じた価値提供によって安定的なキャッシュを創出し、そのキャッシュを原資として新たなバリューチェーンを創造する。この循環を通じて持続的な成長を実現しています。
2025年度(2026年3月期)決算説明会「中長期の方向性」p.9の図を簡略化して掲載 社会への貢献
―アウトプット・アウトカム―社会への提供価値
3つの事業ドメイン
IHIグループは、エアロスペース・エネルギー・インフラの分野で、世界各国の産業基盤・安全保障を支える製品・サービスを提供しています。これらの分野では、製品の安全性や情報セキュリティを担保し、長期にわたり安定した運用を支えるとともに、環境負荷の低減にも取り組むことが求められます。
成長を支える基盤
-挑戦と応援が連鎖する組織文化/
リスクマネジメント・ガバナンスの強化-
挑戦と応援が連鎖する組織文化
IHIグループが持続的に成長していくためには、成長を支える組織文化も重要です。
社会課題やお客さまのニーズは複雑化しており、これまでの成功体験だけでは対応できない課題も増えています。そのため、新たな課題に挑戦し続ける組織であることが求められます。
IHIグループは、一人一人の挑戦を後押しし、その挑戦を組織全体で支える文化の醸成を進めています。挑戦と応援の連鎖によって、新たな技術や事業の創出につなげていきます。リスクマネジメント・
ガバナンスIHIグループの事業は、産業基盤や安全保障に関わる領域にあります。そのため、一つの判断や行動が、お客さまや社会からの信頼に大きな影響を及ぼします。
持続的な成長を実現するためには、挑戦を促すだけでなく、リスクを適切に管理し、誠実に対応することが欠かせません。
AIや情報セキュリティなどを含むリスクの早期把握、コンプライアンスの徹底、適切な意思決定、透明性を確保するガバナンスを通じて、ステークホルダーの皆さまからの信頼を維持しながら持続的な成長につなげていきます。 -
マテリアリティ(経営上の重要課題)
ESG担当役員メッセージ
瀬尾明洋
常務執行役員
グループESG担当IHIグループの「中長期の方向性」は、事業を通じて産業・国家レベルの社会課題を解決し、社会とIHIグループ双⽅の持続可能性を⾼めるものです。その実現に向けて、長期的な機会とリスクを踏まえた経営上の重要課題(マテリアリティ※1)を特定しました。
IHIグループはこれまで、「技術をもって社会の発展に貢献する」という経営理念のもと、社会に貢献しながら事業を継続・発展してきました。ダブルマテリアリティ※2の考え方は、社会の期待に応えながら事業成長するという、IHIグループの経営に合致したものだと認識しています。
今回のマテリアリティ特定では、こうしたIHIグループの考え方を踏まえつつ、ダブルマテリアリティの考え方も参考にしました。特定に際し、外部有識者の協力も得ながら、IHIグループが取り組むべき経営上の重要課題として6項目を特定しました。
今後は、ステークホルダーの皆さまとの対話を重ね、いただいた意見も取り入れながら、各マテリアリティに対する具体的な戦略およびKPIの策定を進めていきます。-
※1
企業が中長期的に価値を創出していく上で、特に重要と認識し、優先的に取り組むべき課題
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※2
企業活動が社会・環境に与える影響と社会・環境が企業に与える影響の2側面からマテリアリティを特定する手法
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※1
成長戦略を読み解く Q&A
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IHIグループが2040年のありたい姿を実現するには、これまでの延長線上にはない製品やサービスを生み出し、社会に届ける必要があります。また、IHIグループの事業特性上、技術開発から事業化し、社会に広く貢献するまでに10年以上かかるものもあります。
そのため、これまでのように目の前の環境変化に対応して事業を進めるだけでなく、中長期的な視点で技術開発や事業開発をさらに推進することが必要です。
その際に重要なことは、従業員が方向性を見失わず、規律をもちながら自由かつ大胆に挑戦することです。
そこで、長期にわたり判断の基準となる「中長期の方向性」を定めました。
大きな方向性を共有することで、グループ全体として一貫性のある経営判断と従業員の行動につなげます。 -
この3分野は、人びとの暮らしや産業活動、各国の安全保障を支える重要な分野です。IHIグループが培ってきた技術や人財、事業運営の仕組み、経営判断の経験を生かすことで、他社が簡単に追いつくことのできない競争力につなげます。
事業ドメインは、現在の事業領域や組織を3つに分け直したものではありません。例えば、「エアロスペース」ドメインは、既存の「航空・宇宙・防衛事業領域」の名称を変えたものではなく、従来の枠を越えて技術と人財を組み合わせ、新たな事業を生み出していく分野です。 -
IHIグループはこれまでも、納入した製品や設備の運用・保守・更新を通じて、お客さまの事業を支えてきました。今後は、製品や設備への要望に対応するだけでなく、その背景にある事業上の課題や目標を理解し、お客さまにとって最適な解決策を提案します。
例えば、お客さまから設備更新の相談を受けた場合、設備を入れ替えるだけでなく、その設備の役割と工程全体への影響を把握します。その上で、新しい設備の導入に加えて、生産全体の最適化や自動化、省エネルギー化などを提案していきます。 -
IHIグループが事業を展開する産業基盤や安全保障の分野では、高い安全性や品質、各国の規制への対応、長期にわたる安定運用が求められます。こうした条件を満たす技術と実績がなければ、その分野で事業を行うことはできません。
さらに、IHIグループの事業は、技術や製品だけでは成り立ちません。
例えば、航空エンジンの事業運営では、各国の企業と交渉しながら、長期にわたる複雑なプロジェクトを進める必要があります。アンモニアバリューチェーンの構築では、国や企業ごとに異なる事情を踏まえ、多くの関係者と協力し、新しい市場や事業の仕組みをつくる必要があります。
こうした事業を実現するには、難しい課題を解決する技術と、その技術をもとに関係者をまとめ、長期にわたる事業を動かす人財の両方が必要です。そのため、IHIグループは「技術」と「人財」を成長の原動力としています。
IHIグループは、世界中の人々の安心・安全と豊かな暮らしを支えるため、エアロスペース・エネルギー・インフラドメインで事業を展開しています。
世界各国の産業基盤や安全保障にまつわる社会課題の解決に取り組み、社会への貢献と事業成長の両立を目指しています。
バリューチェーンの創造とライフサイクルを通じた価値提供により、持続的な成長を実現しています。
強みである技術を起点に、グローバル展開や事業拡大を進めながら、新たな価値創出に取り組んでいます。
